お葬式の精神的な意味合い

身近な人の死を通して生を考える場であり、命の尊さや死というものへの理解を深める場でもあるといえます。また家族や親族、親しい友人が集まる場としての意義があり、その方々とで故人が生きた証とその死を受け止め、仏様の世界に送り出し、悲しみを共有し絆を深める意味もあります。

 お通夜と葬儀・告別式について

お通夜とは本来、家族や親族、親しい友人といった身近な方たちが朝まで眠らず、線香やろうそくの火を絶やすことなく故人とともに過ごすことで故人をしのぶことを目的とした儀式です。所説ありますが、通夜は故人が蘇ることを望んで行った儀式と言われています。そのため、遺体のそばで夜通し故人の思い出や良いところ、これまでの感謝などを語り合い復活を願ったとされています。このことから通夜とは故人との思いでを振り返り理解を深めて、故人を送り出すための心の整理を行うという意味合いをもちます。 時代の変化とともにお通夜の流れは変わり、仕事関係や近所の方も参列しやすい、18-19時頃から行われ儀式自体は一時間ほどで行われるようになりました。 

葬儀・告別式とは故人を成仏させる為に執り行う宗教的な意味合いの強い儀式です仏式にて葬儀を行う際、重要なのは、故人に成仏していただくという事です。
成仏とは、文字通り仏様に成っていただく=迷い、苦しみから抜け出て悟りを開き、絶対安楽の境地に住していただくことが目的であります。
真言宗の葬送儀礼の要点は、故人を大日如来の曼荼羅世界に引き入れて、仏様の弟子にすることにあります。この作法を「引導(いんどう)」といい、真言宗で師から弟子に法を授ける時に行われる灌頂(かんじょう)という儀式をもとにしています。故人は、導師(どうし)から戒や真言宗の奥義を授かり、戒名を授けられて仏弟子となり、仏さまの世界=密厳浄土(みつごんじょうど)へと導かれていくのです。